学生インタビュー

弓削商船高等専門学校

鈴木 禅士さんのインタビュー画像

船は人類が生み出した最大級の乗り物 巨大な構造の船が海を渡る姿にロマンを感じる

船は人類が生み出した 最大級の乗り物 巨大な構造の船が 海を渡る姿にロマンを感じる

弓削商船高等専門学校

鈴木 禅士さん

弓削商船高等専門学校は、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県・弓削島にあります。商船学科では、学校が保有する練習船「弓削丸」や海技教育機構の大型練習船による遠洋航海などの実習が受けられます。「航海コース」と「機関コース」の選択は3年生後期に行うため、入学後に学びながらじっくりと進路を考えることができます。「機関コース」に進んだ5年生の鈴木禅士(すずき ぜんと)さんに、弓削商船高専で成長できたこと、将来の目標などを聞きました。

  • Point 01

    機関士として働く
    兄の働きぶりに憧れ、
    同じ機関コースへ進んだ。

  • Point 02

    親元を離れた寮生活で
    自立心や主体性が
    身についた。

  • Point 03

    多角的に考え判断できる、
    信頼される機関士を
    目指したい。

弓削商船高専の先輩で機関士の兄 仕事をする姿に憧れをもった

鈴木さんが商船系高専を目指すきっかけになったのは、6歳上の兄の存在でした。弓削商船高専を卒業し、外航船の機関士として働いているからです。

乗船中によくビデオ通話をしてくれました。機関室のアラームが鳴ると瞬時に部屋を出て、外国人の乗組員と英語でやり取りしながら対応する姿を見て、強い憧れを抱きました。自分もそのような環境で働きたいと思い、機関コースに進みました

印象に残っている実習は、練習船「弓削丸」で神戸に向かったときのことです。機関室で出港準備をしていると、主機関が始動しないトラブルが発生したのです。

エンジニア同士で話し合いながら原因を考え、解決に導くことができました。この経験を通じて、自分も機関士の卵として一歩を踏み出せたと実感しました

親元を離れて寮生活 自立心、主体性が身についた

勉強以外では、寮生活が思い出深いと言います。

寮生活の良いところは、部屋を出てすぐに友達に会える距離感の近さです。朝の歯磨きから夜寝る前まで多くの時間をともに過ごし、日常を共有できるのが魅力だと思います。そうした生活を5年間続けることで絆が深まり、ここで出会った仲間は一生の友達になるものと感じています。また、共同生活の中では先輩・後輩との関わりも多く、自然と上下関係や礼儀を学ぶことができ、人として成長できる環境でもあります

親元を離れて生活したことで自然と自立心が養われたと、鈴木さんは振り返ります。自分自身のことは自ら判断し行動する必要があるため、主体的に物事を考える習慣が身についたのです。

トラブルを多角的に考え 状況に応じた判断ができる機関士に

周囲を海に囲まれた環境で、フリーの時間は存分に海を満喫している鈴木さん。放課後や休日には、釣りや海水浴などのアウトドアを気軽に楽しめたと言います。

寮の同期とよく釣りに行くのですが、自分はあまり釣れない方でしたね(笑)でも魚をさばくのは得意だったので、同期の分もさばいてあげて魚をもらっていました

また学校の近くには造船所やドックがあり、外航船が多数往来する様子が見えます。自分が船で働く姿をイメージして、勉強するモチベーションの維持につながったと言います。鈴木さんは船の魅力を次のように語ります。

船というのは人類が生み出した最大級の乗り物です。そしてその巨大な構造の船が海を渡る姿にロマンを感じます

さて、将来どんな機関士を目指しているのでしょう。

確かな知識と技術を身につけ、一つのトラブルに対して多角的に考え、時々の状況に応じた最適な判断と対応ができる機関士になりたい。周囲から信頼され、『あなたと一緒に働けて良かった』と言われるような機関士です。一方で、海運業界で進む脱炭素化にも今関心を持っています。水素やアンモニアなどの新燃料についても積極的に学び、時代の変化に柔軟に対応できる技術者を目指したいです

世界中を舞台に働けるロマンがある やりがいと責任を感じられる仕事

最後に、商船系高専への進路を考えている中学生にメッセージを送ってくれました。

海運業界は需要が拡大傾向にあり給与面でも恵まれています。それだけではなく、世界中を舞台に働けるロマンのある仕事なので、自信を持っておすすめできます。ただ、特殊な環境で働くので、決して楽な世界ではなく、中途半端な気持ちでは乗り越えられない場面もあります。しかし日本の物流や人々の暮らしを支えているという大きなやりがいと責任を感じられる魅力のある仕事です。少しでも興味があるなら、ぜひ挑戦してみてください。皆さんより一足先に、世界の海で待っています

同期や友人の前ではひょうきん、授業や実習はまじめだという鈴木さん。「まじめに答えすぎちゃったかな(笑)」と最後はひょうきんさも交えて語ってくれました。

2027年、鈴木さんは大海原に漕ぎ出します。