加納 あすか さん

かのう あすか

商船学科 機関コース/5年

外航船員としての就職を目前に控え、目を輝かせて話す加納さん

  • Q1. 外航船員を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

    幼い頃に帆船・海王丸を見学し、船体の大きさや船室の雰囲気を体感して、「なんて夢がある世界だろう!」と魅せられたからです。また、英語を話すのが好きだったことや、世界の海を舞台に活躍したいという思いが強かったことから、外航船員を目指すようになりました。

  • Q2. 日本経済を支える外航船員の重要性について
    どう思いますか?

    島国である日本は、輸出入のほぼ100%を海上輸送に頼っています。そのため、海上輸送が滞ると、経済や貿易も滞ってしまいます。とくに、それが石油やLPGといったエネルギーだと、社会活動はもちろん日常生活にも大打撃を与えてしまうので、これを回避するという点においても、大変重要性の高い仕事だと考えています。

  • Q3. 外航タンカー社への就職が内定していますが、
    乗船する心境や意気込みをお聞かせください。

    タンカーが輸送するのはエネルギー資源です。私たちに深く関わるものだからこそ真摯に業務に取り組み、みなさんの生活の安定や日本経済の成長の一助になっていければと考えています。エネルギー資源は危険物でもあるため、女性のタンカー乗船は不安視されることもありますが、安全な航行のための法整備も含め、教員・企業担当者の方々からしっかりとした説明があったので、私自身、安心して乗船できると考えています。また、許可がでれば寄港地に上陸でき、外国の文化に触れられることも楽しみにしています。

  • Q4. 学校の勉強や部活、生活はいかがですか?

    授業は毎日4コマで一般科目と専門科目があり、学ばなければいけないことがたくさん!得意科目は熱力学と材料力学です。苦手科目は数学なのですが、機械系の力学につながるので、しっかりと習得できるよう頑張っています。部活は茶道部とダンス部に入っています。茶道は小学5年生のときから習っているので、みんなに教える立場になっています。ダンスはまったくの未経験でしたが、練習を重ねたかいもあり、学生生活最後のステージとなった今年の文化祭では、納得のいくダンスを披露することができました。ステージ演出が凝っていたのもあって、踊っているときはとても楽しく幸せでした。

  • Q5. 今後の目標や夢は何ですか?

    外航タンカーの機関長です。富山高専に入学したときはぼんやりとした“夢”でしたが、外航タンカー社への就職が内定したことで、よりはっきりとした“目標”になりました。入社後は機関コースで学んだことを活かしながら、着実にステップアップしていきたいと思っています。

  • Q6. これから商船系高専への入学を考えている方へ一言。

    多くの方々にとって、海事業界はあまり馴染みがないものかもしれませんが、もし少しでも船に興味があれば、オープンキャンパスや学校説明会に参加してみることをおすすめします。いちどでも船に乗ればその魅力を肌で感じられ、もっと深く学んでみたいと思うはずですよ!

(2024年6月取材)

加納さんが所属するダンス部の文化祭でのステージショー

機関コースの実習風景

練習船「若潮丸」の前で敬礼する加納さん

学生からのメッセージ動画

商船学科で学ぶこと

学生と寮生活

外航船員の仕事について

撮影日(2024年5月撮影)

富山高等専門学校

本校は商船学科をはじめ工業系、人文社会系の学科があり、数理・データサイエンス・AI教育や国際交流に力を入れています。商船学科がある射水キャンパスは、男女比が約1対1と全国的にも珍しい高専です。講義のほか練習船での実習を多く行い、海事技術者に必要なスキルを身に付けます。また、英語教育や資格取得のサポートにも力を注いでいます。部活動は運動系、文科系ともに多くあるほか、高専祭や音楽祭、球技大会など様々な学校行事を学生会が主体となり実施しています。本校には、同じ志を持つ学生たちが日本各地から入学します。海事技術者の可能性を広げるような学びと出会いが必ずありますので、海や船に関心を持つ方は、ぜひ本校の門を叩いてください。

学校生活について

富山高等専門学校射水キャンパスの学生は、全体の約3分の2が自宅から通学し、約3分の1が学生寮で生活をしています。通学生は自転車やバス、ご家族の送迎などで、富山県内の広範囲から本校に通っています。商船学科に所属する寮生は、富山県以外の日本各地から入学してきた者が半数以上を占めています。寮内では学業や学校行事、プライベートなどの様々な場面で学科学年を越えた交流があり、仲良く過ごしている姿がよく見受けられます。

学校の取り組みについて

本校練習船は商船学科学生の教育を主な使命としつつ、様々な海洋観測機器も搭載しており、他機関との共同研究にも活用されています。また、小中学生を対象とした海洋環境や生物に関する研究講座を実施し、海に親しみを持ってもらうための活動も行っています。さらに、2024年元日に発生した能登半島地震の際には、同月に練習船を活用して七尾港へ支援物資を届けました。